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◆ 補聴器を使用する難聴者の大多数は、内耳または中枢神経系に障害がある感音難聴である。
◆ 感音(性)難聴 は、障害部位により内耳性難聴と、それより大脳皮質聴覚野に至る後迷路性難聴に分類される。 感音難聴では、言葉 ( 語音 ) を別の誤った言葉 ( 語音 ) に聞き間違える「語音明瞭度」の低下が認められる。 補聴器は感音難聴の障害を補う機器であるが、基本的機能は音を大きくする事である。 しかし、それだけでは語音を聞き誤る障害に対しては十分に対応することは出来ない。( 補聴器の能力の限界を明記されている ) 補聴効果の予測は「語音明瞭度検査」によって行う。 ◆ 語音明瞭度と補聴効果の予測 会話 ( 語音 ) を正確に聞き取る能力は語音検査 ( 語音明瞭度検査 ) で求める。 語音明瞭度検査とは、ア、カ、タ などの単音節を聞かせて正しく聞き取れる「正答率」を求める検査である。 50 語の単音節で検査する 57S 検査語表と 20 語の単音節で検査する 67S 検査語表があるが、正答率は近似している。 57,57S に固執する意見もある外、独自の検査語音や短文の作成もある点を見ても、語音検査は純音とは違って、研究者や目的により、かなり自由な幅が存在することに留意する必要がある。 この問題に付いては、別に項を設けて説明しようと考えています。 補聴器は会話を最も良く理解できる大きさで聞かせることを目的とした機器であるが、補聴器には「語音明瞭度」を改善する効果はほとんど無く、会話音を最高明瞭度が得られる大きさで聞かせる機器である。 最高語音明瞭度が 60% 以上であれば、補聴器を使用すれば日常会話が可能となる。従って、難聴者は補聴器の効果を容易に理解できる。 最高明瞭度が 40% 未満の者ではコミュニケーションに役立たせるとの観点では効果は少ない。 以上は、小寺一興先生の ( 日医雑誌、2000-3.) ご記載を主体に少し付記させて頂いたものです。 ◆ 語音明瞭度検査 純音聴力検査の方法については細部にまで国際的にもコンセンサスが得られているのに対して、語音検査には、各国語の特性があり、未だに問題を残している。 基本的にはイヤホンを用いて片耳ずつの検査であるが、補聴器装用時の検査のようにスピーカーを用いることもある。 難聴のうち中枢性障害の程度の推定、補聴器装用の評価にも必要な検査である。 防音室に付いては理想を言えばきりがないが、周囲が静かである配慮は必要である。その理由はこの検査が「閾値検査」では無いからである。 被検者を座らせて「回答用紙」を渡して筆記の用意をさせる。平仮名でも片仮名でも書きやすい方でよい。聞こえた通りに書くこと、聞き取れなかった所は空けておくこと、 3 秒ごとに聞こえてくるので、スピードについて行けない場合には機器を止めて書く時間を与えて検査をする。 比較的良聴耳から検査する。検査語表を決めて一つのレベルで行なう。平均純音気導聴力レベルを基準にして、閾値上約 50 dB から 10 ~ 15 dB 間隔で 4 種位のレベルで検査をする。検査結果を正しく聞き取れたかを評価して各レベル毎に % を求めて記載する。 正常者では「実線で描かれている S 字曲線のように 40 ~45 dBSL でほぼ 100% の語音明瞭度が得られる。 伝音性難聴耳では、曲線の形はそのままに「純音閾値レベル」の上昇分だけ右へ移動することになる。( X - X )。 感音性難聴耳では中枢障害の程度に従って曲線は緩やかになり、最高明瞭度 ( = 弁別能 ) が下がってくる。( 〇 - 〇 ) 。 言い換えれば、「やっと聞こえるレベル」と「うるさくて不快なレベル」との間が (= Dynamic Range ) 狭くなってしまっています このような難聴耳には補聴器の使用は、とても難しくなっています。 ( 専門医通信: 平成 7 年 : 第 43 号 ) 機能検査シリーズ より。 ▲ 何点で検査をして、そのレベルの % を出すか?についての基準は無い。私は経験的に「最も快適に聞こえるレベル」 = Most Comfortable (Loudness) Level = MCL を、イロイロなレベルで独自に決めた会話= NEWS 番組から収録したものを聞かせて「レベルを設定」して検査を行っている。このレベルの 10dB 上下、特に大きいレベルで検査すると「大き過ぎて不快なレベル」= Un-Comfortable (Loudness) Level = UCL では 正答率 % が低下している事を確認する。慣れて来ると MCL のほぼ 1 回で「最良 % 」を得ることも可能になる。 ▼ ◆ 次回は、語音明瞭度検査を、より具体的に「記載例や聞き違いの傾向」等に付いても述べたいと思います。
by mimiyamedic
| 2010-11-09 00:39
| 語音明瞭度検査
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